受賞・表彰
令和8年度全国発明表彰 <第1表彰区分> 発明賞
当院の 佐々木 雄太郎 泌尿器科・講師が 令和8年度全国発明表彰 <第1表彰区分> 発明賞を受賞しました。
●賞の名称 令和8年度全国発明表彰 <第1表彰区分> 発明賞
●受賞者 佐々木 雄太郎(泌尿器科・講師)
●受賞年月日 令和8年6月15日
●発明概要
本意匠は、ロボット支援手術において、血管を安全かつ確実にテーピングするための専用器具に関するものである。
ロボット支援手術における血管テーピングは、血管周囲を剥離した後、ロボット鉗子を血管の裏側に通し、助手から渡された血管テープを掴んで引き抜くという重要な工程である。しかし、ロボット鉗子には触覚がなく、構造的な制約もあるため、限られたスペースでの血管裏面におけるテープの受け渡しは難易度が高い。操作中に誤って血管を損傷すれば重大な医療事故に繋がるため、誰もが安全かつ確実に血管テーピングを行える手技の標準化と専用器具の開発が強く求められていた。
本意匠は、ロボット鉗子による運針動作のような一連の動きで、血管テーピングを直感的かつワンステップで完結できる独自の形状を備えている。体内で使用するために、トロカーという筒状器具の通過性を考慮した寸法設定となっており、操作性と耐久性を両立させるために導き出された独自の弯曲率や厚み、幅によって構成されている。先端部にはロボット鉗子で把持した際のブレを防ぐ孔を設け、末端部には血管テープを容易に結びつけることができる孔を配置した。これら役割の異なる2つの孔の存在が、機能性とデザイン性を高い次元で融合させ、術中の視認性や操作性の向上に大きく寄与している。
本意匠の器具を用いることで、術者の経験に依存していた手法から脱却し、テーピング操作の定型化と安全性の向上が実現した。本意匠を反映した製品は、すでに国内のロボット支援手術導入施設の約17%にあたる約110施設で使用され、血管テーピングの定型化に寄与する独自の地位を確立している。医師間の技術格差を補完する教育支援ツールとしても機能し、手術時間の短縮や致命的な事故の回避に直結するなど、持続可能な医療人材育成と医療現場の質的向上に効果をもたらしている。


