排尿ケア管理室は、入院中に尿道カテーテルを使用した患者さんを対象に、可能な限り早期にカテーテルを抜去し、適切な排尿ケアを行って、尿路感染症を予防したり患者さんが自立して排尿できるよう支援しています。排尿自立を得られることで、患者さんのQOLは大きく向上します。当院では、平成30年より医師、看護師、理学療法士からなる「排尿ケアチーム」が排尿ケアの質向上を目指して活動していましたが、令和2年4月より、医療ソーシャルワーカー、事務職員が加わり、「排尿ケア管理室」となりました。

(メンバー紹介と役割)
泌尿器科医師:下部尿路機能の評価、薬物療法、主治医や転院先との連携など
看護師(脳卒中リハビリテーション看護認定看護師、下部尿路機能障害に関する所定の研修修了者):排尿日誌や残尿測定の結果を含めた患者情報の収集、排尿アセスメント、※自己導尿指導、排泄用具の選択などのアドバイスなど
理学療法士:ADL評価、リハビリ介入の検討、排尿姿勢やトイレ動作などのリハビリ計画、骨盤底筋トレーニングの指導など
医療ソーシャルワーカー:排尿ケアが必要な患者の退院・転院調整、転院先との連携
事務職員:会議開催、書類作成、地域連携など

(活動内容)
 尿道カテーテル抜去後に排尿困難や頻尿、尿失禁といった下部尿路症状が生じた患者さんやカテーテル抜去後にこれらの症状が生じると予想される患者さんが対象です。病棟の看護師が対象者を選出して、排尿日誌の記載や残尿測定を行い、排尿ケア管理室に介入を依頼します。毎週1回、木曜日の午後に排尿ケア回診を行っており、管理室メンバーと病棟看護師とで患者さんの状態を診察し、多職種でアセスメントを行い、包括的排尿ケア計画を立案します。病棟でこの計画をもとに実践し、排尿自立を目指します。排尿ケアは、尿路感染の防止、早期の患者さんの回復、さらに入院期間の短縮につながります。排泄の問題は、人間の尊厳に係わる大切なことです。お悩みの方々のQOL向上や尿路感染の減少を目指して、日々活動しています。

(※自己導尿について)
膀胱や神経の働きが悪くなると、うまく自分で尿を体外へ出すことが難しくなります。尿が膀胱内にたくさん残ってしまうと、尿路感染症を起こしたり、腎臓の働きが低下したりします。このことを防ぐために、自分で尿道口から膀胱まで細長い管(カテーテル)を通して、尿を排出させることを「自己導尿」といいます。自己導尿の方法について、動画で解説します。

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