診療紹介

 対象疾患はすべての急性期脳血管障害です。2018年の脳卒中センター(SCU)での急性期脳卒中患者の受入数は290件でした。本センターでは放射線部の協力で、全国に先駆けて脳卒中の診断に3ステラーMRIを第1選択として使用し、脳卒中診断を瞬時にかつ正確にできるようにしています。また治療も最先端の技術を駆使し、脳卒中の患者さんが少しでも早く社会復帰できるよう努力いたしております。

主要疾患

脳血管障害(脳卒中)

本院では、1999年より国立大学病院としては画期的な試みとして集学治療病棟内に脳卒中ケアユニット(SCU)を開設し、徳島全県より脳卒中の患者さんを24時間体制で受け入れてきました。さらに2005年6月1日より脳卒中センター(9床)として機能を高めています。
 現在は、診療には脳神経外科医と脳神経内科医があたり、放射線科医、放射線技師の協力の下、最新の画像診断がいつでも行える体制にあります。治療としては、開頭手術・血管外科以外にも、静脈内血栓溶解療法(t-PA)、急性期血栓回収療法(血行再建術)やコイル塞栓術などの血管内治療他、最新の治療方法を積極的に取り入れ、より低侵襲で効果的な治療を行い、良好な結果を得ています。また、3:1の看護体制であり、専属のリハビリテーションスタッフによる早期からリハビリテーションを開始し、本センターでの急性期治療が終了後には関連のリハビリテーション病院とスムーズに連携をとり、回復期リハビリテーションが行えるようにしています。

治療実績

令和5年 徳島大学脳卒中センター入院患者統計

1. 徳島大学脳卒中センター 年次推移

2. 徳島大学脳卒中センター 脳卒中の病態内訳

3. 徳島大学脳卒中センター 病態別月別推移

4. 徳島大学脳卒中センター 脳内出血の部位別内訳

5. 徳島大学脳卒中センター 脳出血治療内訳

6. 徳島大学脳卒中センター 脳梗塞病態内訳

7. 徳島大学脳卒中センター 脳梗塞急性期治療内訳

8. 徳島大学脳卒中センター くも膜下出血治療内訳 

スタッフ紹介

脳卒中センターでは医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、放射線技師、薬剤師、歯科医師・衛生士、管理栄養士など様々な職種のスタッフが協力して患者さんの治療と回復支援、再発予防を支援しています。

トピックス

センター構成員

 脳神経外科医師     
 神経内科医師      
 神経放射線医師     
 集中治療部医師      
 脳卒中センター専属看護師
 専属 理学療法士    

徳島大学病院脳卒中センターでは総合病院のメリットを生かし、脳卒中発症早期からのリハビリビリテーション(リハビリテーション専門医、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)、歯科医による口腔ケア(プロフェッショナルケア)、栄養サポートチーム(NST)による適切な栄養療法が行われています。

面会時間のご案内

徳島大学病院脳卒中センターでは患者様の療養・安静のために、面会時間の制限がございます。
ご面会は以下のお時間にお願いいたします。

朝: 7:30~ 8:30
昼:11:30~13:00
夜:17:30~19:00

なお、原則として家族の方のみとさせていただきます。
体調の悪い方、風邪症状のある方、小学生以下の方は入室できませんので、ご了承ください。

*2021年4月時点で、コロナの流行に伴い、上記の時間内でも面会は行っておりません。

徳大脳卒中だより

脳卒中センター連絡協議会

徳島大学脳卒中センターでは脳卒中センター連絡協議会を月1回行っています。この会議は、脳卒中センターに関わる医師、歯科医師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師、看護師、MSW、事務など多職種からなるチームの会議で、様々な問題点を出し合って、チーム全員で、できるだけ患者さんがよりよい医療を受けられるように解決策を話し合っております。



ここでは脳卒中センターの関係者による脳卒中だよりをお届けします。

1.「大学病院における脳卒中診療の意義」
徳島大学 脳神経外科教授 高木 康志
 脳卒中は、発症してすぐに的確な診断と適切な治療を行うことが重要です。治療が遅れると手遅れになり重い後遺症を残すことになります。歴代首相の佐藤栄作、田中角栄、小渕恵三さん達だけでなく、野球の長嶋茂雄さんやサッカーの元全日本監督オシムさんなども脳卒中に罹患し、昔も今も多い病気です。最近は、診断と治療が飛躍的に進歩してきました。
徳島大学病院では、脳卒中急性期医療を推進するために1999年から全国に先駆けて脳卒中ケアユニット・脳卒中センターを開設し、脳卒中救急患者を24時間絶対断らない方針で診療しています。大学病院が率先して、脳卒中救急を行うことにより、地域の脳卒中医療推進にも好影響を与えていると思います。
当施設の特徴点は、以下にまとめられます。
(1)診療体制:脳神経外科や神経内科、救急集中治療部、放射線科などの医師を中心に、看護部や放射線部・リハビリテーション部など各診療部門スタッフが協力して、24時間体制で脳卒中の診断・治療にあたっています。
(2)脳卒中診断機器として、全国に先駆けて最新の3テスラMRIを使用し、24時間体制で検査を行い迅速かつ的確な脳梗塞診断を行っています。
(3)脳梗塞急性期治療:発症から4.5時間以内の脳梗塞例では、最近治療が認められた血栓溶解剤(t-PA)を迅速に注射する体制を確立し、詰まった血栓を溶かし劇的に症状が良くなる方もおられます。
(4)くも膜下出血では、原因の破裂脳動脈瘤に対し、開頭による手術(クリッピング)チームと血管の中からカテーテルで動脈瘤を詰める(コイル塞栓術)チームを両方持っていますので、動脈瘤に応じて適応を判断し適切な治療を行っています。
(5)症例数:開設以来、緊急入院した急性期脳卒中患者は1500名を越え、年々増加しています。
(6)地域連携強化:地域の回復期リハビリテーション施設と連携しています。
 少しでも、脳卒中の症状(手足のまひやしびれ、言語障害、意識障害、突然の激しい頭痛・嘔吐など)が起こったら、救急車を要請して下さい。